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「ユーモアで伝える最後のメッセージ」 – ゆいごん川柳の面白い例とその背景

人生の最期の瞬間まで、私たちは大切な人に何かを伝えたいと思うものです。感謝や愛情の言葉は、どんなに些細でも心に残ります。しかし、遺言書というと堅苦しく、暗いイメージを抱きがちです。そこで注目したいのが、「ゆいごん川柳」というユニークな取り組みです。
川柳は、軽快でユーモア溢れる表現が特徴で、遺言という重いテーマに結びつけることで、深刻な話でも少し笑顔になれる力を持っています。実際、「ゆいごん川柳」には、遺言書の堅苦しさを和らげ、最後のメッセージを温かく、時にユーモラスに伝える作品が多くあります。この川柳コンテストは、日本財団が毎年1月5日の「遺言の日」に開催し、遺言や終活に関する作品を募集しています。遺言の大切さを気軽に考えるきっかけとなり、多くの人に家族への思いを伝える意義を広めています。今回は、今年1月5日に発表された第9回「ゆいごん川柳」の受賞作品をご紹介します。
大賞 遺言を かいたつもりが 感謝状
遺言書を「かいたつもりが」としながら、最終的に感謝状になってしまうところが、心情の微妙な揺れを表しています。法的な遺言よりも、愛情や感謝を優先する人間らしい葛藤が感じられます。「感謝状」という言葉で、儀礼的な中にも温かさが伝わり、遺産の配分なども重要ですが、心からの気持ちを書き記すことも同じように大事だというメッセージが込められています。
遺言書は決して、遺産配分だけを記した味気ないものではありません。法的な拘束力はありませんが、家族への感謝の気持ちや、自分の人生を振り返って思うことなどを、付言事項という項目に書くことができます。

入賞 ゆいごんは 残る家族の 羅針盤
遺言が「残る家族の羅針盤」と表現され、遺された家族の行動指針となることを巧みに示しています。羅針盤は迷いを避け、正しい道を示すもの。遺言も同じく、家族にとって道しるべとなり、未来の選択を導く大切なものだという意味が込められています。家族への愛情と責任感が伝わり、遺言書の意義をしっかりと捉えています。
入賞 筆圧に 確かに籠る 父の愛
遺言を書く際の「筆圧」に父親の愛情が込められている様子が見事に表現されています。筆を強く握るその力強さに、父親の真摯な思いが感じられ、言葉以上に深い愛情が伝わるという点が心に響きます。「確かに籠る」という表現が、父の想いがしっかりと伝わっていることを強調していて、感動的です。父親の愛情を筆圧という細やかな表現で伝える、非常に美しい川柳ですね。
入賞 献体と 遺贈わたしも 二刀流
「献体」と「遺贈」を二刀流に例えたユニークな表現が印象的です。自身の体と財産を、二つの形で後世に役立てようとする強い意思が感じられます。献体は命を、遺贈は財産を次世代に託すことで、それぞれの「残すもの」の重要さと価値を強調しています。自分の生きた証を多方面で残す覚悟が伝わります。献体と遺贈という重いテーマを、力強くかつ前向きに表現した川柳ですね!
特別賞 人生を 終えて始まる 第二章
人生の終わりを『第二章の始まり』と捉える視点が非常に前向きです。終わりがあってこそ、新たな希望が生まれるという力強いメッセージが感じられます。遺贈や寄付によって、物理的な命の終わりが新たな形で未来に繋がるというテーマが、深い意味を持っています。充実した生涯を経て、次世代や社会に希望を託す思いが強く伝わります。遺言書を作成することは、人生の終焉を迎える準備というだけではなく、むしろ残りの人生に対する余計な不安を断ち切ることで、より充実した日々を送るための一歩です。この行為が、心の中で新たな希望を生み出し、最後まで生き生きとした気持ちを持ち続ける力になるのです。
さいごに
遺言書に対する印象が、少し変わったのではないでしょうか。遺言と聞くと、難しく重たいものと思われがちですが、本来は大切な家族への最後のメッセージです。しっかりとした内容で残すことで、遺された方々が迷わずに済み、安心して将来を迎えることができます。とはいえ、遺言書には法律上の要件があり、正しく作成しなければ効力を持たないこともあります。せっかくの想いを確実に伝えるためにも、専門家のサポートを受けながら準備を進めることをおすすめします。行政書士 井戸規光生 事務所では、相続診断士の資格も持つ行政書士が、ご相談者さまそれぞれの事情に応じて、遺言書の作成サポートを行っております。遺言書に関する法的な手続きは複雑に感じられるかもしれませんが、専門家が関与することでスムーズかつ確実に進めることが可能です。初回相談は無料でございます。ぜひお気軽に、お電話(052-602-9061)、FAX(050-1545-5775)、お問い合わせフォーム、もしくはEメール ido.kimioアットマークofficeido からご相談ください。ご連絡お待ちしております。