これだけは押さえたい!終活でやるべき10のリスト

近年、「終活」という言葉を耳にする機会が増えました。人生の終わりに向けて準備を進めることで、自分自身も家族も安心して日々を過ごせるようにする活動、それが終活です。しかし、「何から手を付ければいいのか分からない」という声も多いのが現状です。 終活は、必ずしも「人生の終わり」に直結するものではありません。むしろ、自分らしい人生を全うし、家族への感謝や配慮を形にするプロセスです。本記事では、終活を始める際に押さえておきたい10のポイントを分かりやすく解説します。一つずつ進めていくことで、あなたも「安心」と「備え」を実感できるはずです。それでは、早速始めてみましょう!

目次

終活とは?なぜ必要なのか

終活とは、自分の人生の最期を見据えた準備をすることを指します。具体的には、財産や生活の整理、医療や介護の意思決定、大切な人へのメッセージの準備などを行い、人生をより豊かに全うするための活動です。その目的は、自分自身が安心して日々を過ごすためだけでなく、家族に余計な負担をかけずに済むよう配慮することにあります。

近年、終活が注目される背景には、核家族化や高齢化社会の進展、デジタル化の進む現代のライフスタイルが挙げられます。これらの変化により、遺産相続や葬儀、デジタル遺産の管理などをめぐるトラブルが増えています。

終活を始めることで得られるメリットは大きいものです。身の回りを整理することで日々の生活がスッキリするだけでなく、自分の意思を明確に残すことで家族とのトラブルを回避できます。また、将来への不安が軽減され、心に余裕を持って生きることができるのです。終活は自分と家族双方にとって「安心」をもたらす、重要なステップなのです。

財産整理と相続の準備

終活を進める上で、財産整理と相続の準備は欠かせません。これらを適切に行うことで、家族間のトラブルを防ぎ、安心した老後を迎える基盤が整います。以下に、具体的なステップを解説します。

1. 財産目録を作成する

財産目録とは、自分が保有するすべての財産を一覧にしたものです。これを作成することで、自分の財産状況を正確に把握でき、遺産分割の準備がスムーズに進みます。
まず、現金や預貯金、不動産、株式といった「プラスの財産」を書き出しましょう。次に、借金やローンといった「マイナスの財産」も漏れなく記載することが重要です。また、家族が見つけやすいよう、証券口座や保険証書の保管場所も明記しておくとよいでしょう。

財産目録を作るメリットは、相続税の計算や遺産分割協議が円滑になることです。記載が曖昧だと、家族間で「どの財産がどれくらいあるのか」が分からず、無用な争いの種になることもあります。定期的に見直し、最新の状態を保つことも忘れないようにしましょう。

2. 遺言書を準備する

遺言書は、財産を誰にどのように分配するかを記した法的な文書です。これがあるだけで相続におけるトラブルのリスクが大幅に軽減されます。特に、相続人が複数いる場合や法定相続分以外の分配を希望する場合には、遺言書が必要不可欠です。

遺言書には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類があります。中でも公正証書遺言は、公証人が関与して作成されるため法的に有効性が高く、紛失や改ざんの心配もありません。費用はかかるものの、確実に遺志を実現したい場合に適しています。

遺言書を作成する際には、財産の分配だけでなく、感謝の気持ちや特定の希望も記載すると良いでしょう。家族に思いを伝えるツールとしても活用できるため、早めの準備をお勧めします。

財産整理と遺言書の準備を進めることで、家族も自分自身も安心して未来を迎えることができるでしょう。

エンディングノートの活用

3.エンディングノートを書く

エンディングノートは、自分の想いを形に残し、家族へのメッセージや希望を伝えるためのツールです。遺言書が法的効力を持つ文書であるのに対し、エンディングノートは自由度が高く、法的効力はありませんが、家族にとって重要な手がかりになります。
たとえば、自分の人生の振り返りや感謝の気持ちを綴ることで、家族がその想いを受け取ることができます。また、葬儀の形式や希望する宗教的儀式の内容を記載することで、家族が迷うことなく対応できるようになります。エンディングノートは家族への思いやりを示す一つの形と言えるでしょう。

4.医療や介護の希望を明記する

エンディングノートには、医療や介護に関する具体的な希望も書き残せます。たとえば、延命治療を希望するかどうか、どのような医療措置を受けたいかについて意思表示をすることで、万が一のときに家族が医師と話し合う際の指針となります。
さらに、介護方針についても明記しておくとよいでしょう。自宅介護を希望するのか、施設への入所を希望するのかなどを具体的に記載しておくことで、家族の負担を軽減することができます。医療や介護の選択は家族にとって難しい決断となる場合が多いため、本人の意思が記されたエンディングノートは非常に役立ちます。

エンディングノートを活用することで、自分らしい最期を迎え、家族の負担を軽くすることが可能になります。

「デジタル遺産の整理」

5.オンラインアカウントの整理

現代の生活では、SNS、メールアカウント、サブスクリプションサービスなど、オンライン上に多くの情報が残ります。これらは「デジタル遺産」と呼ばれ、放置されると家族や相続人にとって負担になることがあります。
たとえば、FacebookやInstagramなどのSNSでは、亡くなった後のアカウントを「追悼アカウント」に変更する設定が可能です。また、サブスクリプションサービスでは契約解除が必要ですが、利用者情報がわからない場合、余分な費用が発生することもあります。
生前に使用しているオンラインアカウントを一覧にまとめておき、それぞれの対処方法や希望する処理(削除、追悼アカウント化、維持など)を明記しておくと、家族の負担を軽減できます。

6.パスワードの管理と引き継ぎ

オンラインアカウントの整理を行う上で、パスワードの管理は重要な課題です。本人がパスワードを把握していない、または家族がそれを見つけられない場合、必要な情報にアクセスできず手続きが滞ることがあります。
安全な方法として、専用のパスワード管理ツールを利用し、そこに情報を一元管理しておく方法があります。また、紙に書き出して保管する場合は、信頼できる家族や専門家にその存在を伝えておくことが必要です。遺言書にパスワードそのものを書き込むのは避け、管理方法や保管場所を記載するにとどめるのが無難です。
これらの対策により、デジタル遺産の引き継ぎをスムーズに行え、自分の希望通りに整理することが可能になります。

「日常生活と人間関係の整理」

7.身の回りの整理(生前整理)

生前整理とは、身の回りの物を見直し、必要なものと不要なものを整理する作業です。ただの片付けにとどまらず、これまでの人生を振り返り、心を整える大切な時間になります。
たとえば、使わなくなった品物や思い出の詰まった物を見直すことで、自分の価値観やこれまでの歩みを再確認できます。また、遺された家族が物の整理に悩まないように、取捨選択を進めることで負担を軽減することができます。
「ありがとう」の気持ちを込めて大切な物を選び、不要なものに対しても感謝しながら手放すことで、心に余裕を持つことができます。このプロセスを通じて、残りの人生をより充実させるきっかけになるでしょう。

8.大切な人との対話と感謝の伝達

日常生活の整理の一環として、人間関係を見直し、大切な人とのつながりを深める時間を持つことも重要です。家族や友人と普段なかなか話せないテーマについて話し合うことで、関係がより温かいものになります。
特に、感謝の気持ちを伝えることは、自分自身だけでなく相手にとっても心に響く体験です。「いつもありがとう」「助けられているよ」といった短い言葉でも、想いを伝えることで関係がさらに豊かになります。また、これまで伝えられなかった後悔や謝罪の気持ちを打ち明けることで、心の負担を軽くすることもできます。
生前整理を通じて、物や関係性の整理を行うことは、自分自身と向き合う大切なプロセスです。それが人生の充実と円滑な相続の準備につながります。

将来のための制度活用

9.老後資金の見直しと確保

老後の生活を安心して送るためには、資金の計画と見直しが欠かせません。老後の生活費は、医療費や介護費用を含め、現役時代よりも想定外の出費が増える可能性があります。公的年金だけでは不足する場合が多いため、預貯金や個人年金保険、投資などを活用して資金を確保しておくことが重要です。
まず、老後に必要な生活費を具体的に計算し、現時点での資産と照らし合わせて不足分を明確にします。そのうえで、収入源の確保や節約の方法を検討します。特に退職金の運用や相続税対策を視野に入れることで、老後の経済的不安を軽減することができます。また、定期的に見直しを行うことで、ライフスタイルや経済状況の変化にも柔軟に対応できるようになります。

10.葬儀やお墓の準備

葬儀やお墓の準備は、自分の希望を反映させるだけでなく、家族の負担を軽減するためにも大切です。まず、どのような葬儀を希望するのか、宗教的な儀式の有無や規模について具体的に考えておきます。また、生前に葬儀社と契約を結ぶ「葬儀の事前相談」や、費用を前払いする「互助会」制度を利用することで、家族が葬儀費用を心配せずに済みます。
お墓についても同様に、生前に選んでおくことで家族の負担を軽くできます。近年では墓地のほかに樹木葬や納骨堂といった選択肢も増えています。自分の価値観や家族の希望に合った形を探す時間を持つことが大切です。
老後資金や葬儀・お墓の準備は、将来の安心を得るための重要なステップです。計画的に進めることで、自分自身も家族も穏やかな気持ちで日々を過ごすことができます。

まとめ:終活で得られる未来への安心感

終活を進めることで、心に大きなゆとりを生むことができます。身の回りの整理やデジタル遺産の対応、老後資金や医療・介護の希望を明確にしておくことは、日々の生活を安心して過ごすための基盤となります。終活は単なる準備ではなく、これまでの人生を振り返り、これからをより充実させるための機会でもあります。

また、家族に残す負担を減らすことも終活の重要な役割です。相続手続きや葬儀の準備など、事前に整理しておくことで家族が迷うことなく対応でき、あなたの想いをしっかり引き継ぐことが可能になります。自分らしい人生を最後まで全うするために、終活を通じて未来への準備を整えておきましょう。

終活に関する不安や疑問は、ぜひ専門家にご相談ください。当事務所では、相続や遺言、生前整理に関するお悩みに丁寧に対応いたします。安心して終活を進められるよう、行政書士井戸規光生事務所がサポートいたします。

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この記事を書いた人

2024年に「行政書士 井戸 規光生 事務所」を設立しました。
建設業、遺言・相続サポート業務に特化した名古屋市南部の地域密着型事務所です。
高校時代はラグビー部に所属。地元名古屋のスポーツチームを応援しています。

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