公正証書の基礎知識:遺言書や契約書における重要性とは?

公正証書という言葉を聞いたことはありますか? その具体的な内容や重要性を理解している方は少ないかもしれません。公正証書とは、公証役場公証人が作成する文書であり、契約や遺言書などの法的効力を持つ重要な文書です。 特に遺言書や重要な契約書において、公正証書を利用することで紛争を未然に防ぎ、法的なトラブルを避けることが可能です。本記事では、公正証書の基本的な仕組みや、その具体的なメリットについて詳しく解説します。是非最後までお読みください。

目次

公正証書とは?

公正証書とは、公証役場で公証人が作成する法的効力を持つ正式な文書です。契約書や遺言書などの重要な内容を記載する際に用いられ、公証人がその内容を確認し、作成者の意思を保証することで、信頼性が高まります。公正証書には改ざんのリスクが極めて少なく、特に遺言書や契約書のトラブル防止に効果的です。また、一定の条件付きで強制執行力を持たせることができるため、紛争時にも法的に強力な証拠として活用されます。

公正証書遺言の重要性

公正証書遺言は、遺言者の意思を確実に実現するための手段として非常に重要です。まず、遺言書を公正証書で作成する最大のメリットは、その法的な信頼性です。公証人が遺言者の意思を確認し、内容を正確に文書化するため、無効となるリスクが極めて低くなります。また、公正証書遺言は自筆証書遺言と異なり、内容の改ざんや紛失の心配がありません。自筆証書遺言は遺言者自身が書くため、誤字脱字や不備が原因で無効になる可能性があり、安全性の面で劣ります。さらに、公正証書遺言は遺言執行が容易であり、遺族間のトラブルを未然に防ぐ効果があります。家庭裁判所の検認手続きが不要なため、相続手続きがスムーズに進行し、遺族が争うことなく遺言者の意思を尊重できる点も大きな利点です。

契約書としての公正証書の有効性

公正証書は、家族信託契約書任意後見契約書死後事務委任契約書など、さまざまな契約書においても有効です。(任意後見契約書においては公正証書での作成が義務です)これらの契約書を公正証書で作成する最大の理由は、法的な信頼性と安全性です。公証人が契約内容を確認し、作成者の意思を保証することで、契約内容の正当性が担保されます。家族信託契約といった、将来の財産管理や介護などに関わる重要な契約の場合も、公正証書での作成が推奨されます。 企業や個人が公正証書を利用する場面は多岐にわたります。企業では、取引先との契約や重要な契約書の作成に公正証書が活用されることが多く、契約の履行を確実にするために利用されます。個人の場合では、前述の信託契約や任意後見契約のほか、離婚協議書や借用書など、公正証書での作成が推奨されるケースが多くあります。

公正証書作成の手続きの流れ

STEP
事前準備

公証役場に電話で問い合わせ、必要な書類や手続の確認をします。事前に電話などで予約し、指定された日時に出頭することになります。当事者双方が揃って出頭するのが原則ですが、代理人に依頼することもできます。

STEP
受付

当事者又は代理人が公証役場に出頭します。

STEP
当事者の身分確認資料の調査

公証人は、当事者または代理人が持参した身分確認資料の提示を受け、当事者等の身分確認を行います。

STEP
公正証書作成に必要な内容の聴取

公証人が公正証書の内容となる法律行為の内容を聴取し、疑問があれば質問します。公証人は、この聴取において、その内容が法律行為として違法性はないか、当事者に法律行為をする能力があるかなどを確認します。(事前に内容を公証人に通知し、公証人は必要があれば補正、修正をし、これを当事者に通知して了解を得るなどの調整が行われます)

STEP
公正証書の作成

公証人は、聴取した内容から公正証書を作成し、それに基づいて、原本、正本、謄本を作成します。

STEP
公証人による読み聞かせまたは閲覧

公証人は、出頭した当事者又は代理人に対して、作成した公正証書の内容を確認させる手続として、その内容を読み聞かせて、内容を確認させます。

STEP
公証人および列席者の署名押印

公正証書の読み聞かせが終了すると、公証人は、列席者に対し公正証書原本の指定した箇所への署名押印を求め、公証人も同様に署名押印をします。

STEP
原本の保存と正本・謄本の交付

1.公正証書原本の保存 列席者が署名押印し、公証人も署名押印したものが公正証書の原本です。公正証書の原本は、紛失や偽造等を防止するために公証役場に原則20年間保存されます。

2.公正証書の正本・謄本の交付 公正証書の正本と謄本が作成されます。正本は権利者に交付され、謄本は義務者に交付されます。

公正証書作成の費用

公正証書作成に必要な費用は大きく3つにわかれます。

・公証役場の手数料

(遺産など公正証書によって規定する物や財産の価格によって変動します。5,000円から10万円程度になることもあります)

・書類収集費用

(印鑑証明書、戸籍謄本、受遺者の住民票、固定資産税の評価証明書、定額小為替の発行手数料、登記簿謄本などを取得するための実費です。数千円程度に収まることが多いです)

・行政書士など専門家にサポートを依頼する場合の報酬

まとめ

行政書士 井戸 規光生 事務所では相続診断士の資格を持つ行政書士が、ご依頼者様それぞれの事情に沿って、遺言書の作成サポートや、相続手続きの代行を行っております。 また、公正証書遺言や公正証書を用いての契約書を作成する際も、「法的に有効な内容での文書作成」と「スムーズな手続き」をサポートします。また、登記が必要な際には司法書士を、相続税に関するお悩みには税理士を、また、万が一相続人間でのトラブルが発生した場合には提携の弁護士を紹介し、ご依頼者様の負担が少ない形で諸手続きを進めてまいります。初回相談は無料ですので、お電話、お問い合わせフォームなどから、是非お気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

2024年に「行政書士 井戸 規光生 事務所」を設立しました。
建設業、遺言・相続サポート業務に特化した名古屋市南部の地域密着型事務所です。
高校時代はラグビー部に所属。地元名古屋のスポーツチームを応援しています。

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