山林を相続しても困らない!山林相続の基礎知識と注意点

相続によって突然、山林を取得することになった——そんな経験をする方は少なくありません。住宅地とは異なり、山林は利用目的が不明確で、管理や税金、売却のしやすさなど、さまざまな点で戸惑うことが多いのが実情です。「手入れが必要なの?」「税金はどうなるの?」「売ることはできるの?」といった疑問を抱えたまま放置してしまうと、思わぬリスクに発展する可能性もあります。本記事では、山林を相続した際に知っておくべき基本的な知識と、注意すべきポイントをわかりやすく解説します。

目次

山林の相続は“特別”?その特徴とよくある悩み

地目「山林」とは?

日本中、不動産登記簿に登録されている土地には、必ず「地目」が記載されており、それがその土地の主たる用途を示しています。「地目」の一つに「山林」があります。これは、耕作の方法によらず、竹木が自然に生育する土地を指し、宅地や田畑とは異なり、日常的な利用がほとんどされていないことが一般的です。

増加する“山林相続”の背景

農村地域での人口減少や高齢化により、山林を所有していた親世代が亡くなり、その土地を都市部に住む子世代が相続するケースが増えています。また、投資目的で「山林」の土地を買ったものの、うまく活用されずに、所有者が亡くなるケースもあります。日本の国土の約7割が森林であることを考えれば、山林が遺産に含まれることは、決して珍しいことではありません。

困惑する相続人のリアル

「どこにあるのかわからない」「何に使えるのか不明」「価値があるのか判断できない」――こうした声はよく聞かれます。中には、先祖代々の名義のままで更新されておらず、手続きが複雑になるケースも少なくありません。

都会に住む子世代の悩み

現地に足を運ぶことが難しい、管理の方法が分からない、手入れや税金のことまで手が回らない。そんな悩みから、山林の相続は「扱いに困る財産」として後回しにされがちです。

山林相続の手続きの流れと必要な届出

相続登記は義務化に

2024年4月から、相続によって不動産を取得した場合、3年以内に相続登記を行うことが義務となりました。正当な理由なく怠った場合は、過料の対象になるため注意が必要です。 (「過料」とは、登記や届出などの義務を怠った場合に行政から科される制裁金のことで、刑罰ではありませんが、過料は一度だけで終わるとは限らないため、注意が必要です)

登記に必要な書類

法務局で相続登記を行うには、被相続人の戸籍類一式、遺言書や遺産分割協議書、固定資産税評価証明書、相続人の住民票などが必要になります。登記申請は、本人が自分で行うことも可能ですが、依頼を受けて報酬を受けとって行う場合は、司法書士または弁護士に限られると法律で定められています。

市町村への届出も忘れずに

山林については、所有者になった日から90日以内に市町村長へ届出をする義務があります(森林法第10条)。届出を怠ると、10万円以下の過料が科される可能性もあるため、早めの対応が重要です。

山林を相続した場合のリスクとデメリット

境界不明・未登記の土地に注意

山林は、長年手入れされていない場合が多く、隣地との境界が曖昧だったり、そもそも登記されていないケースもあります。その場合、相続登記や売却時に測量・調査が必要となり、時間も費用もかかるおそれがあります。

災害リスクと共有状態の落とし穴

倒木や土砂崩れを防ぐために、定期的な点検や間伐などの管理が必要ですが、そのための労力やコストが馬鹿になりません。特に遠方に住んでいる場合、対応が困難になることもあります。また、祖父母や曾祖父母の代から複数の相続人で共有状態になっていることも多く、他の共有者と連絡が取れなければ、売却や管理の意思決定ができずにトラブルに発展することもあります。山林は活用方法が限られており、利益は出せないのに固定資産税だけが毎年発生するという、”持っているだけで負担になる”財産になることも少なくありません。


「いらない山林」はどうすればいい?手放す方法と注意点

相続放棄という選択

山林を相続したくない場合、相続発生後に家庭裁判所で相続放棄を申し立てることで、所有を回避できます。ただし、山林以外の財産もすべて放棄する必要があるため、慎重な判断が必要です。

国庫帰属制度の利用

2023年に始まった相続土地国庫帰属制度では、一定の条件を満たせば土地を国に引き取ってもらえます。審査手数料や負担金がかかるほか、崖地や管理困難な土地は対象外になることもあります。

売却・寄付・民間サービス

地元の不動産業者や山林バンクなどのマッチングサービスを通じて売却できることもあります。「都道府県名」「森林売買」などと検索することで、仲介業者が見つかることもあります。また、自治体や団体への寄付引き取りサービスの活用も選択肢の一つです。

まとめ:山林相続は早めの対応と専門家の助言がカギ

山林を相続したまま放置していると、登記義務(3年以内)違反や、市町村への届出義務(90日以内)違反による過料や、管理不備による災害リスク、次世代への負担といった問題が生じかねません。まずは、その山林がどこにあり、誰の名義なのかを確認し、登記簿や固定資産税の通知書などで現状を把握することが第一歩です。判断に迷う場合には、行政書士などの専門家に相談し、不要な損失を防ぐための対策を早めに講じることが大切です。

 行政書士井戸 規光生事務所では、相続診断士の資格も持つ行政書士が、山林を所有している方、山林を相続する予定のある方を対象として、相続に関するご相談や届出書類の作成サポートも承っております。お客様の状況に応じた最適な解決策をご提案いたします。初回相談は無料ですので、お電話052-602-9061またはEメールido.kimioアットマークofficeido.com、お問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。ご連絡お待ちしております。

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この記事を書いた人

2024年に「行政書士 井戸 規光生 事務所」を設立しました。
建設業、遺言・相続サポート業務に特化した名古屋市南部の地域密着型事務所です。
高校時代はラグビー部に所属。地元名古屋のスポーツチームを応援しています。

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