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建設業の違反が招くリスクとは?違反事例とその影響
建設業は安全性や品質を確保するために厳格な規制が設けられており、これに違反すると様々なリスクや影響が生じます。違反が招く可能性のある問題には、法的な罰則や経済的な損失、業界内での信用低下などが含まれます。この記事では、建設業における違反の具体例と、それがもたらす影響について詳しく解説します。違反によるリスクを理解し、適切な対応を講じるための参考にしてください。
はじめに
建設業法に違反すると、懲役刑、罰金刑といった刑事罰や、営業停止、建設業許可取り消しなどの処分を受けることになります。また、建設会社の役員が欠格要件に該当すると許可を維持することが困難になります。
建設業許可は税込500万円以上の金額の工事を請け負うために必ず必要なもので、許可を取り消されてしまうと会社の経営に大打撃となります。そのため建設業法違反をしないために対策をとる必要があります。
建設業法違反にはどんなものがある?
・許可を受けずに税込み500万円以上の工事を請け負った。
建設業許可を取得せずに請け負えるのは、軽微な建設工事(*請負代金が税込み500万円未満)だけで、税込み500万円以上の工事を受けると違反となります。
また、下請の業者に発注する金額が税込み⁑4,500万以上の場合は特定建設業許可が必要なところ、それを取得せずに4,500万円以上の発注を行うと違反になります。
*建築一式工事では税込み1,500万円未満、もしくは、延床面積150㎡未満の木造住宅
⁑建築一式では7,000万円以上
・専任技術者を適切に配置していなかった。
建設業許可を受けようとする場合、営業所ごとに指定の国家資格を持つ者か、一定期間以上の実務経験を有する者である専任技術者を配置する必要があります。
しかしながら、専任技術者が不在の営業所があったり、要件を満たしていない者を専任技術者にしたり、専任でない者を配置した場合(いわゆる“名前貸し”)は違反です。
・ 丸投げ(受けた工事を、一括で下請に出す行為)を行った
丸投げ行為とは、請け負った建設工事を、そのまま全て下請けに出すことです。これは、工事を行わない業者に中間マージンが入ったり、実際に工事を行う業者の受け取る金額が低くなったりすることを防止するという意味で禁止されています。
建設業法に違反するとどうなる?
建設業法に違反した場合は罰則と監督処分があります。
罰則の例
・3年以下の懲役、または300万円以下の罰金
これが最も重い刑事罰で、特定建設業の許可を受けずに、法律で定められた金額(原則 税込4,500万円)以上の下請契約を結んで営業した場合や、営業停止処分中に営業を行った場合や、虚偽、または不正により建設業許可を取得した場合に科せされます。
この他、違反の重さの程度に応じて、
・6か月以下の懲役、または100万円以下の罰金
・100万円以下の罰金
・10万円以下の過料
などの刑罰を受けることがあります。
監督処分の例
監督処分には、指示処分、営業停止処分、許可取り消し処分があります。
・指示処分 建設業法に違反した時に法令違反を是正するため県や国交省などの監督行政庁が業者に対し、違反行為の是正を指示することです
・営業停止処分 指示処分に従わないときには、1年以内の範囲で営業することができなくなることです。独占禁止法の違反や、一括下請けの禁止規定に違反するなど、違反内容によってはいきなり営業停止処分になることもあります。
・許可取り消し処分 不正な手段で許可取得をしたり、営業停止処分に反して営業したりした場合に許可が取り消されることです。違反の重さによって指示処分や営業停止処分なしでいきなり許可が取り消されることもあります。
欠格要件にも注意が必要
建設業法違反以外でも 建設業許可を取得、維持するためには欠格要件に該当しないことが必要です。役員や個人事業主が、禁錮刑以上の刑に処されたり、破産宣告をうけたりするなど、建設業許可を取得した後に欠格要件に該当してしまうと、許可取り消し処分を受けてしまいます。
このように建設業法違反をすると会社の存続に大きな損害を被る可能性もあるため日頃から役員(個人事業主)や社員も法令遵守の意識を強く持たなくてはなりません。
まとめ
行政書士 井戸 規光生 事務所では、建設業許可の申請だけでなく、毎年の事業年度終了届、変更届、5年に一度の更新手続きのサポートや、日々の業務に忙殺される事業者様への、各種手続きの期限管理も承っております。 また、知らず知らずの内に建設業法違反になってしまわないように、建設業法遵守に関するお役立ち情報も提供してまいります。初回相談は無料ですので、是非お電話、お問い合わせフォームなどからお問い合わせください。お待ちしております。