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建設業許可申請書 様式10号 指導監督的実務経験証明書を解説
建設業許可申請書類の一つ、様式第10号 指導監督的実務経験証明書の作成方法を解説します。
この書類は、特定建設業許可の専任技術者の資格を、「一般建設業における専任技術者資格を満たしている+2年の(※)指導監督的な実務の経験」で満たそうとする際に必要な書類です。
(※)指導監督的な実務経験とは、「元請として請け負った請負金額4,500万円以上の工事」を、「現場監督、施工管理、工事主任、現場代理人といった立場」で、「工事の技術面を総合的に指導監督した経験」の事を言います。
(※※)建設業許可全29業種のなかで、土木工事業、建築工事業、電気工事業、管工事業、鋼構造物工事業、舗装工事業、造園工事業、の指定7業種の特定建設業許可は国家資格の1級相当でしか専任技術者として認められませんので、この書類を書くことはありません。
この書類は、特定建設業許可を申請する場合にのみ必要です。また、新規申請よりも、一般建設業許可を持っていて、特定建設業許可にランクアップする般特新規などの際に提出することが多いです。
新規 | 許可換え | 般特新規 | 業種追加 | 更新 | |
法人 | △ | △ | △ | △ | - |
個人 | △ | △ | △ | △ | - |
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記入例
①証明を受けようとする工事の業種を記入。
土木工事業、建築工事業、電気工事業、管工事業、鋼構造物工事業、舗装工事業、造園工事業、の指定7業種を除く22業種の中から1つを記入。
②証明者
実務経験を証明する期間に被証明者が在籍していた会社の代表者又は個人事業主を記入。
現在在籍している会社の代表者を書くことが多いですが、過去に在籍していた会社での経験を証明する場合は、過去在籍していた会社の代表者を記入。
③被証明者との関係
社員や元社員など入
④技術者の氏名
被証明者の名前を記入
⑤生年月日
被証明者の成年月日を記入(和暦)
⑥使用者の商号又は名称
「②証明者」に記載した会社名や個人事業主名と同様に記入。商号や名称が異なる場合は、その理由を書類の一番下の欄⑭に記入。
⑦使用された期間
専任技術者が雇用されていた期間を記入。実務経験を重ねた期間ではありません。
⑧発注者名
元請人として契約を請け負った相手方の名前を記入。
⑨請負代金の額
工事の代金を「千円」単位で記入。原則、1件の請負代金が4,500万円以上でなくてはなりません。
⑩職名
工事における地位を記入。現場代理人、現場責任者、工事主任等と記入する。
⑪実務経験の内容
①に書いた業種に適合する具体的工事件名を記入。
⑫実務経験年数
工事の期間を記入。始まりと終わりが月の途中であることが多いのでひと月分マイナスして計算しなければなりません。令和6年2月から令和6年5月の場合は3か月になります。年月の合計が2年以上になるように工事を記入。
⑬合計年数
⑫に記入した全ての工事の年数の合計を記入。2年を超えていることが条件。
⑭使用者の証明を得ることができない場合はその理由
⑥の使用者(指導監督的実務経験を積んだ業者)と②証明者が異なる場合、その理由を記入。原則的に、証明者と、使用者(被証明者が実務の経験を重ねた業者)は同じでなければいけません。ただし、正当な理由がある場合は理由を記入し、証拠書類を添付。
実務経験を重ねた会社が解散した場合や、事業主が死亡したケースなどある。
(「令和〇年〇月 会社解散」など)。
注意点
・工事が間違いなく行われたことを確認する書類も各都道府県によって異なるので事前の確認が必要。
・記入した工事ごとに請負契約書、注文書・請書等を提示。
・指導監督的立場であったことも証明しなければならないので、施工体系図など必要。
まとめ
工事の内容を確認し、証明書類を整える作業は非常に時間がかかります。特に、工事が元請であったこと、4,500万円以上の請負金額であること、そして業種が条件に合致しているかどうかを正確に証明する必要があります。行政庁への事前相談は、経験が認められるかどうかの判断材料を明確にするための重要なステップです。認められやすい実務経験を積み上げながら証明書を作成することで、スムーズに進めることができるかもしれません。行政書士 井戸 規光生 事務所では、建設業許可の申請だけでなく、毎年の事業年度終了届、変更届、更新手続きのサポートや、日々の業務に忙殺される事業者様への、各種手続きの期限管理も承っております。 初回相談は無料ですので、是非お電話、お問い合わせフォームなどからお問い合わせください。お待ちしております。