戸籍の附票とは?相続や不動産手続きでの活用法

 相続手続きや不動産の売買などで、「戸籍の附票」という言葉を耳にしたことはありませんか?戸籍の附票は、通常の戸籍謄本と異なり、個人の住所の移り変わりを記録した書類で、相続や不動産取引の手続きにおいてに重要な役割を果たします。この記事では、戸籍の附票の基本的な情報や具体的な活用方法について詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。

目次

戸籍、戸籍の附票とは

 戸籍は、国民の身分や状態を記録する公的な文書です。出生、死亡、婚姻、離婚など、人生の重要な事柄が記録されており、国民の法的身分を証明するための重要な手段です。また戸籍は、親子関係や配偶者関係などの、家族関係を明確にする役割も持っています。

戸籍の附票は、戸籍の一部です。そこには特定の事項(例えば、住所変更や国籍の取得)が記録されており、戸籍の主要な部分とは別に保管されています。 戸籍の附票は、個々の国民の一生における重要な出来事や変更事項が反映されています。そこには、住所の変更、国籍の取得、婚姻、離婚、出生、死亡などが記載されています。また、戸籍の附票は、相続など公的手続きを行う際に必要となることが多い重要なものです。

戸籍の附票の取得方法

戸籍の附票は本籍地の市区町村の役所で取得できます。窓口申請と、郵送で申請が選べます。 また、戸籍の附票に記載されている本人、および同一戸籍の方は、コンビニエンスストアでも取得できます。(名古屋市など、未対応の自治体あり) 申請には、戸籍謄本等の交付申請書、戸籍の附票の発行手数料、そして申請者の本人確認書類が必要です。これらの書類と手数料を揃え、申請書に必要な情報を記入した後、役所に提出します。

取得にかかる時間と費用

戸籍の附票を窓口申請した場合はその場で受け取ることができますが、郵送申請した場合、受け取りまでに数日から数週間かかることがあります。戸籍の附票の発行手数料は、役所により異なります。多くの場合は数百円程度です。手数料は、申請時に現金または定額小為替で支払います。

戸籍の附票に記載されている情報

基本情報

戸籍の附票には、個々の市民の住所変更の履歴が記録されています。また、戸籍の附票には、基本的情報の他にも戸籍の表示(本籍地及び筆頭者)や在外選挙人登録情報などが追加で記載されることがあります。

戸籍の附票の種類

戸籍の附票には、「全員の写し」と、「一部の写し」の2種類あります。全員の写しは、全ての家族の住所変更の履歴を一度に確認することができます。

戸籍の附票を請求できる人

戸籍の附票を請求できるのは、その戸籍に記載されている本人です。自分の戸籍の附票を自分で市区町村役場に申請して取得することができます。また、戸籍に記載されている本人の配偶者直系の親族も、戸籍の附票を請求することが可能です。本人からの委任状を有する代理人も戸籍の附票を請求することができます。専門家である行政書士も、職務上請求という方式で戸籍の附票を請求することができます。

戸籍の附票を活用する場面

個人的利用

戸籍の附票は、個人が日常生活で直面するさまざまな状況において役立ちます。附票には、戸籍に記載された人々の住所履歴が記録されており、過去の住所を証明しなければならない場面で活用できます。たとえば、相続手続きの際に、名義人の登記簿上の住所と亡くなった時の住所が異なる場合に、住所の変遷を確認するために戸籍の附票が必要となることがあります。また、音信不通となった親族を探す場合にも、その住所履歴をたどるために有用です。

業務利用

業務の場面でも、戸籍の附票は重要な役割を担っています。特に、不動産登記や自動車の名義変更の手続きで頻繁に使用されます。これは、住民票だけでは過去の住所履歴を証明できない場合があり、登記簿や車検証上の住所と現在の住所が異なる際に、附票がその証明に役立つためです。また、相続手続きでも、登記簿上の住所と亡くなった時点の住所が異なる場合には、附票を使って住所の履歴を確認することができます。

戸籍の附票の受付窓口について

コンビニ交付

近年、マイナンバーカードを使ってコンビニエンスストアのマルチコピー機で戸籍の附票を取得できるようになりました。このサービスは24時間利用可能で、急な手続きにも対応できるのが魅力です。また、全国のコンビニで利用できるため、自宅や職場の近くで簡単に手続きを行えます。(未対応の自治体もあります。名古屋市は未対応)

郵送での請求

窓口に行けない場合、郵送での請求が便利です。請求書、手数料、返信用封筒、本人確認書類を同封して指定先へ送付するだけで手続きが完了します。多忙な方や遠方に住んでいる方に適しています。

区役所区民課

各自治体の役所では、戸籍の附票の手続きを専門職員がサポートしてくれます。手続きに関して質問がある場合、直接相談できるため、安心して手続きを進めることができます。

戸籍の附票の請求時の注意事項について

・請求先の確認 戸籍の附票の請求は、基本的に本籍地の役場で行う必要があります。本籍地が不明な場合は、住民票の写しを取得する際に本籍地入りで取得すれば、住民票の写しに本籍地が記載されています。(名古屋市内に本籍がある場合は市内のどこの区役所でも請求可)

・手数料と提出書類 戸籍の附票の請求には手数料が必要であり、郵送請求の場合は郵便小為替も必要です。また、請求書以外にも以下の書類が必要ですので、郵送請求の場合は封筒に同封して郵送します。

・運転免許証などの本人確認書類のコピー

・返信用封筒(と切手)

・請求する方と戸籍に記載されている方との関係が確認できない場合は、親族関係が確認できる戸籍などのコピー

・代理人が請求する場合には、委任状

・請求できる方 戸籍の附票の写しを取得できるのは次の方に限られます。

・戸籍に記載されている方、その配偶者または直系の親族

・代理人(ただし委任状が必要です)

・行政書士などの専門家

まとめ

 戸籍の附票は、戸籍の一部で、住所変更や国籍取得など特定の情報を記録するためのものです。戸籍の附票を取得する方法は、本籍地の市区町村役場の窓口での直接申請や郵送申請が可能で、戸籍の附票に記載された本人や同一戸籍の方は、マイナンバーカードを利用してコンビニエンスストアで取得することもできます(ただし、未対応の自治体があります)。 戸籍の附票を取得する際に必要なものは、役所が準備している戸籍謄本等の交付申請書、戸籍の附票発行手数料、申請者の本人確認ができる書類です。

 行政書士 井戸 規光生 事務所では相続診断士の資格を持つ行政書士が、ご依頼者様それぞれの事情に沿って、遺言書の作成サポートや、相続手続きの代行を行います。相続発生時の相続人、相続財産の調査や、各種必要書類の取得、作成、金融機関とのやり取りなど、煩雑な手続きも代行いたします。戸籍の附票に関しても、取得が必要か否かの判断と助言および、取得方法の助言をすると共に、ご本人での取得が難しい場合は、代行取得もいたします。初回相談は無料ですので、お電話、お問い合わせフォームなどから、是非お気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

2024年に「行政書士 井戸 規光生 事務所」を設立しました。
建設業、遺言・相続サポート業務に特化した名古屋市南部の地域密着型事務所です。
高校時代はラグビー部に所属。地元名古屋のスポーツチームを応援しています。

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