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相続手続きで必須!印鑑登録証明書の基礎知識
相続手続きでは実印の押印と、印鑑登録証明書(以下、印鑑証明書)を求められるケースがあります。特に遺産分割協議書の作成や、相続登記を行う際に必要とされることが多いです。実印や印鑑証明書という言葉は、普段の生活ではあまり馴染みがないかもしれませんが、相続手続きをスムーズに進めるためには非常に重要な役割を果たします。本記事では、「実印」とは何か、「印鑑証明書」とはどういう書類なのか、またその発行方法について詳しく解説します。これらの基礎知識を理解することで、相続手続きが円滑に進み、必要な書類を事前に準備することができます。
印鑑証明書について
印鑑証明書を取得する前にまず、印鑑登録を行い、印鑑登録証(印鑑登録カード)を取得する必要があります。印鑑登録とは、市区町村役場で印鑑を登録する手続きで、登録された印鑑が実印と呼ばれます。印鑑証明書は、その実印が本人のものであることを証明する書類です。 印鑑証明書は、相続発生の時や、公正証書を作成するときなど、本人の確実な意思確認が必要な場合に使われます。実印と、印鑑証明書を取得する際に必要になる印鑑登録証(印鑑登録カード)は非常に重要なものです。そのためどちらも厳重な管理が必要です。
印鑑証明書の取得の流れ
印鑑証明書の取得までの流れを、「印鑑登録を行って、印鑑登録カードを取得するまで」と、「印鑑登録カードを使って、印鑑証明書を取得するまで」に2つに分けて解説します。
印鑑登録の方法
登録する印鑑、本人確認書類(マイナンバーカード、パスポート、運転免許証など)、印鑑登録申請書を準備します。
役場に本人が出向きます。
準備した書類と印鑑を指定の窓口で提出します。
提出された印鑑や本人確認書類の情報を確認します。
申請が承認されると、印鑑登録証(印鑑登録カード)が発行されます。
印鑑証明書の取得方法
事前に市区町村役場で発行された印鑑登録証(カード)を用意します。
印鑑証明書は、市区町村役場の窓口か、オンラインで申請できます。
窓口の場合、印鑑証明書交付申請書に必要事項を記入します。
申請書と一緒に印鑑登録証を窓口に提出します。オンラインの場合は登録証の番号入力が必要です。
市区町村役場の職員が申請内容を確認し、処理を行います。
申請が完了すると、その場で印鑑証明書を受け取ることができます。オンラインの場合は後日郵送される場合もあります。
発行手数料は1通300円です。
印鑑証明書が必要な相続手続き
・遺産分割協議書の作成 相続人全員の印鑑証明書
・預貯金の払い戻し
遺言書がある場合は預貯金を相続する人の印鑑証明証が必要で、遺言書がなく遺産分割協議書を使って払い戻しをする場合は相続人全員の印鑑証明書が必要。
・株式の名義変更
遺言書がある場合は株式を相続する人の印鑑証明証が必要で、遺言書がなく遺産分割協議書を使って名義変更をする場合は相続人全員の印鑑証明書が必要。
・相続登記(不動産の名義変更)
遺産分割協議書によって、不動産の登記名義を変更する際は、相続人全員の印鑑証明書が必要ですが、遺言書がある場合は、印鑑証明書は必要なし。
・保険金の受け取り
被相続人の死亡保険金を受け取る際に受取人の印鑑証明書が必要。
印鑑証明書の有効期限
印鑑証明書には、有効期限はありませんが、預貯金の払い戻しの際、金融機関によっては、発行日から何か月以内の印鑑証明証が必要と定めているところもあるので、事前の確認が必要です。多くの金融機関に遺産があって手続きに時間がかかり、多くの相続人がいる場合、印鑑証明証の取り直しにならないように注意が必要です。(ここでは余談になりますが、こうした面倒を防止するためにも遺言書は有効です。)
また、不動産の相続登記(名義変更)の際には、特に期限はありません。