設備を撤去する工事が必ずしも解体工事でない理由

「設備を撤去する工事は解体工事」このように考えがちですが、そうではありません。設備を撤去する工事が必ずしも解体工事とはならない理由を理解しておくことは、業務の適正な遂行と法令遵守のために非常に重要です。

本ブログでは、設備を撤去する工事が必ずしも解体工事にならない理由について、解説します。建設業に従事する皆様が正しい知識を持ち、適切な手続きを行うための一助となれば幸いです。ぜひ、最後までお読みください。

目次

解体工事業の定義

まず初めに「解体工事業」の定義についておさらいします。「建築物その他の工作物(以下、「建築物等」という。)の構造耐力上主要な部分について、全部又は一部を解体する建設工事」岐阜県公式HPより

単独の建物を解体し、更地にする工事の他に、単独の建物の一部を解体するだけでも、建物の機能が一部停止すれば、解体工事となります。しかし、総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物や建築物を解体する工事は、それぞれ『土木一式工事』や『建築一式工事』に該当します

建設業法には、「撤去工事」という業種はありません。なので、何らかの設備を撤去する工事は「何を撤去するのか」によって、業種が変わってきます。

 国土交通省の出している、平成29年11月10日改正版「業種区分、建設工事の内容、例示、区分の考え方」には、「それぞれの専門工事において建設される目的物について、それのみを解体する工事は各専門工事に該当する。と定義されています。

 そのため、「何らかの設備を撤去する工事の業種は、その設備を設置するときに必要だった許可業種と同じ」です。 

足場の撤去は「とび・土工・コンクリート」ですし、家の内装の撤去は「内装仕上げ工事」、屋根の上に設置した太陽光パネルの撤去は「電気工事」です。

業種区分の重要性

このように何らかの工作物を解体、撤去する場合の業種の区別は決して単純なものではありません。

業種区別の重要性を示す理由として、真っ先に挙げられるのは、許可を持っていない業種で税込み500万円以上の工事を受けてしまうと無許可営業で建設業法違反になってしまうということです。無許可営業の罰は重く、3年以下の懲役または300万円以下の罰金、もしくはその両方を個人に科し、法人に対しては1億円以下の罰金となります。これは業種を勘違いしていた、悪気はなかったと弁明しても通りません。

他にも、建設業者は請負業種ごとに書類を整理しておかなければならず、撤去関連の工事が全て解体工事としてしまうと、誤りがあった際の事務処理が膨大になってしまいます。

まとめ

行政書士 井戸 規光生 事務所では建設業許可関連業務を中心に承っております。許可要件を満たしているかのご相談だけでなく、許可取得に必要な書類作成、書類集めを一括でお引き受けいたします。

初回のご相談は無料ですので、電話やお問い合わせフォームから、ぜひお気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

2024年に「行政書士 井戸 規光生 事務所」を設立しました。
建設業、遺言・相続サポート業務に特化した名古屋市南部の地域密着型事務所です。
高校時代はラグビー部に所属。地元名古屋のスポーツチームを応援しています。

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