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遺産相続の争いを防ぐ遺言書の作り方:行政書士が教えるポイント
遺言書は、自分の最期の意思を確実に伝えるための重要な手段です。死後に遺族が争ったり、困ったりしないためにも、遺言書を作成することをおすすめします。本記事では、遺言書の重要性や、その作成方法について詳しく解説します。
遺言書が遺族の争いや困難を防ぐ理由
財産分配の明確化
遺言書がない場合、遺産は法律に従って分割されます。しかし、法律の規定が必ずしも遺族全員にとって最善とは限りません。例えば、親1人、兄と妹2人で、妹は親名義の家で親と同居していた場合、2,000万円相当の自宅と1,000万円の現金を遺して親が亡くなった際に親の遺産は預金と不動産合わせて3,000万円相当ですが、これを兄と妹2人で1,500万円ずつに分けるには自宅を売却しなければならず、妹は住む所を失ってしまいます。もし亡くなった親が「自宅は妹に、預金は兄に相続させる」と遺書を残しておけばこの事態は避けられました。
遺言書を作成することで、自分の意思を明確に伝え、財産の分配を明確にすることができます。これにより、遺族間の誤解や争いを防ぐことができます。
特定の遺族への配慮
特定の遺族や第三者に対して特別な配慮をしたい場合、遺言書を通じてその意思を表明することができます。例えば、障がいのある子供や経済的に困窮している家族への特別な支援を遺言書に明記することができます。
遺産の処分方法の指示
遺産の具体的な処分方法を遺言書に記載することで、遺族がどのように財産を扱うべきかを明確に指示できます。不動産の売却や特定の資産の維持管理についての指示を残すことで、遺族が困らずに手続きを進めることができます。
遺言書の種類と作成方法
1. 自筆証書遺言
自筆証書遺言は、遺言者が自分自身で全文、日付、氏名を手書きで記載し、押印することで作成する遺言書です。
(平成31年1月の法改正により、財産目録はパソコンで作成することも可能になりましたが、各ページへの押印は必要です。)
メリット:手軽に作成でき、費用がかからない。
デメリット:形式不備や紛失のリスクがある。
2. 公正証書遺言
公正証書遺言は、公証人が遺言者の意思を確認し、公証役場で作成する遺言書です。
メリット:法的信頼性が高く、安全に保管される。
デメリット:公証人手数料がかかる。
遺言書作成の際のポイント
1. 法的な形式を守る
遺言書が有効となるためには、法律に定められた形式を守る必要があります。特に自筆証書遺言の場合、手書きであることや日付、氏名、押印が必要です。
2. 専門家の助言を受ける
遺言書の作成にあたっては、専門家(行政書士、相続診断士等)の助言を受けることをおすすめします。法律に詳しい専門家がアドバイスをすることで、形式不備や内容の誤解を防ぎ、確実に遺言の意思を伝えることができます。
3. 遺言書の保管方法
自筆証書遺言を作成する場合は、遺言書の保管に注意が必要です。紛失や改ざんのリスクを避けるために、法務局の「自筆証書遺言預かり制度」を利用することも検討しましょう。
遺言書を書くことの重要性
遺言書を書くことは、自分の最期の意思を確実に伝えるための重要な手段です。遺族が争ったり困ったりしないように、明確な指示を遺言書に残しておくことで、遺族全員が安心して相続手続きを進めることができます。また、特定の遺族への配慮や財産の具体的な処分方法を示すことで、遺産を有効に活用することができます。
まとめ
遺言書の作成は、遺族が争ったり困ったりしないための最良の方法です。自筆証書遺言や公正証書遺言など、自分に適した形式を選び、法的な形式を守って作成することが重要です。行政書士、相続診断士などの助言を受けながら、確実に自分の意思を伝える遺言書を作成しましょう。これにより、遺族が安心して相続手続きを進めることができ、あなたの意思が正確に反映されることが保証されます。
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