遺言書の内容を家族に伝えるべき?それとも秘密にすべき?

遺言書を作成する際、悩ましい問題の一つが、書いたという事実や、その内容を家族に伝えるべきかどうかです。遺言書は、相続後のトラブルを避けるために非常に重要な役割を果たしますが、同時にその内容が家族間の関係に影響を与えることも少なくありません。しかし、遺言書の存在や内容を隠しておくことにはリスクも伴います。では、遺言書の存在や内容をどう伝えるべきか、その重要性と注意点を考えてみましょう。

目次

遺言書を家族に伝えるメリット

遺言書の内容を事前に家族に伝えることで、相続時の混乱を防ぐことができます。特に遺産分割に関する希望や特定の相続人に対する意向を明確にすることで、相続人間での誤解や不安を減らせます。事前に理解を得ておくことで、相続手続きが円滑に進行する可能性が高まります。事前に意向を伝えることで、家族間の対立を未然に防ぐこともできます。相続後のトラブルを減らすためには、早い段階でのコミュニケーションが効果的です。

遺言書を家族に伝えるデメリット

遺言書の内容を家族に伝えることには、デメリットも存在します。特に、遺産分割に関する意向や特定の相続人に対する偏った配分が含まれている場合、家族間で摩擦が生じる可能性が高くなります。伝えることで、予期しない不満や争いを引き起こすリスクが伴います。例えば、特定の相続人に多くの財産を譲る意向があった場合、他の相続人が不公平感を抱き、家族内の関係に亀裂を生むことも考えられます。

遺言書を秘密にする場合のメリット 

遺言書を秘密にするメリットは、まず、家族に知られずに自分の意志を反映させることができる点です。そもそも遺言者が自身の財産を誰にどのように分けるかを自由に決めることができるという法律の基本原則(遺言自由の原則)があるので、遺言を書いたことも、遺言の内容も、誰に知らせる義務もありません。遺言書の内容を事前に伝えなければ、相続開始後に初めてその内容が明かされるので、誰からの干渉を受けることなく、自分の希望を守ることができます。また、特定の相続人に対する偏りがあった場合でも、事前に摩擦を避けることが可能です。

遺言書を秘密にするデメリット

遺言書、特にその存在、つまり、書いたことさえも秘密にしておくことには、いくつかのデメリットがあります。まず、遺言書を書いたことを家族に伝えず放置しておくと、自分が亡くなり、相続が始まった際に遺言書が見つからないまま遺産分割協議が進行してしまう可能性があります。この場合、遺言者の意志が反映されず、遺産が本来の意向に沿わない形で分割されることになります。また、亡くなった後、遺言書が発見されるまでに時間がかかることもあり、相続手続きが遅れ、複雑化する恐れがあります。遺言書が遅れて発見されることで、相続人間で混乱が生じ、手続きが長期化する可能性が高くなります。これらのリスクを避けるためにも、「書いた」という事実は伝えて、内容は伝えないという選択もあります。

遺言書を伝えるか秘密にするか決断ポイント

遺言書を家族に伝えるか、秘密にするかを決める際には、まず、家族の関係性が大きな影響を与えます。家族間に信頼関係が築かれている場合は、事前に伝えることで円滑に事が進む可能性が高いですが、関係が複雑で摩擦が生じやすい場合は、秘密にしておくことが適切かもしれません。

遺言書の内容も大きな決断材料です。偏りがある場合は、家族間で争いが生じる恐れがあるため、秘密にしておくことも考慮に入れるべきでしょう。

伝える場合と秘密にする場合のベストな事例

実際に伝える場合、早い段階で家族に理解を求め、意図を共有することでトラブルを避けることができます。逆に秘密にする場合は、遺言書の保管場所を明確にし、相続開始後にスムーズに発見されるようにしておくことが重要です。どちらを選ぶにせよ、最終的には家族の状況と遺言書の内容に応じて最良の方法を選択することが大切です。銀行の貸し金庫はお勧めできません。銀行の貸し金庫は相続手続きが終わらないと開けさせてくれないという金融機関が多いですが、そもそも遺言書は相続手続きを進めるためのものなので、矛盾が生じてしまいます。遺言書を信頼のおける士業に預け、「自分の死後はその士業に連絡すること」とだけ伝えておくというやり方もあります。

まとめ

遺言書を書く際に、「全てオープンにして、遺産分割方法を話し合いながら書く」も、「自分の意向でまず書いて、その内容を知らせる」も、「書いたことさえも秘密にしておく」も、「書いたことは伝えても、内容は知らせないでおく」も、どれが唯一の正解ということはありません。 ご自身の心の問題でもありますし、それぞれに家族や財産、希望の分割方法は違うので、それぞれの立場から慎重に決める必要があります。行政書士井戸 規光生事務所では相続診断士の資格も持つ行政書士が、ご依頼者さまそれぞれの事情に寄り添って、遺言書作成サポート、相続手続きサポートを行っております。遺言書を書く場合、形式はどうするのか?家族に知らせるべきか?保管方法は?といったご質問も受け付けております。初回相談は無料ですので、お電話052-602-9061またはEメールido.kimioアットマークofficeido.com、お問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

2024年に「行政書士 井戸 規光生 事務所」を設立しました。
建設業、遺言・相続サポート業務に特化した名古屋市南部の地域密着型事務所です。
高校時代はラグビー部に所属。地元名古屋のスポーツチームを応援しています。

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