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事業年度終了届(決算変更届)の基礎知識:建設業者が知っておくべきポイント
建設業を営む上で、法律に基づいた手続きを適切に行うことは非常に重要です。その中でも、建設業許可取得業者に対し、毎年の提出が義務付けられている「事業年度終了届(県によって「決算変更届」とも呼びます」は重要な手続きの一つです。しかし、具体的な手続きや必要書類についての理解が不十分なまま提出を行うと、トラブルやペナルティを招く可能性があります。
本ブログでは、建設業者が押さえておくべき事業年度終了届の基礎知識をわかりやすく解説します。提出のタイミングや必要書類、注意すべきポイントなど、実際の手続きに役立つ情報を詳しくご紹介します。
事業年度終了届とは?
「事業年度終了届」は、建設業許可業者が、事業年度の終了から4ヶ月以内に、1年間の工事実績と決算内容を、許可を受けた行政庁である、都道府県庁または国交省へ提出するもので、5年に1度の建設業許可の更新や、公共事業を受注するために欠かせない経営事項審査(詳しくはコチラ)のためにも毎年の提出が必須です。
個人事業主であれば、毎年12月末が決算なので、4月30日が提出期限です。法人であれば、決算日が4月30日の場合だと、8月31日が提出期限となります。
提出を忘れた場合の罰則
「事業年度終了届」の提出を忘れても、直ちに罰則が科されるわけではありませんが、場合によっては厳しい罰則が適用されることがあります。まずは口頭での注意や始末書の提出などの指導が入りますが、それでも改善されない場合や悪質な場合には、懲役6ヶ月以内または100万円以下の罰金が科される可能性があります。
また、事業年度終了届を提出しないと、建設業許可の更新が受け付けられず、許可が失効してしまいます。
意外と短い提出期限
事業年度終了届は税務署に提出する決算申告とは違います。また、事業年度終了届は税務署に提出した決算申告書を元に(つまり税務署への申告を済ませた後に)作成するため、実質的な期限は2ヶ月もなく、のんびりしていると、提出期限が過ぎてしまいます。
事業年度終了届を提出しないと、大きなデメリットが
事業年度終了届を怠ると、罰則の他にも様々なデメリットがあります。まず、新しい業種の追加ができなくなります。急ぎで業種追加をしたくても、まずは溜まっていた事業年度終了届のための書類集めからしなくてはならず、業種追加が間に合わないことが起こります。また、公共工事受注のために必要な経営事項審査も、事業年度終了届が出されていないと行えません。さらには、事業年度終了届が出されていないと、5年に1度の許可の更新も行えません。なお事業年度終了届の提出状況は行政庁で閲覧可能であり、提出漏れがあると会社の信用にも大きく影響が出ます。
まとめ
「事業年度終了届」の提出は、建設業許可の更新や業種の追加に必要不可欠です。提出を怠ると、罰則が科されるだけでなく、許可の更新ができず、最悪の場合許可が失効してしまう可能性もあります。毎年、事業年度が終了したら期日内に提出することが重要です。
行政書士 井戸 規光生 事務所では建設業許可関連業務を中心に承っております。許可要件を満たしているかのご相談だけでなく、許可取得に必要な書類作成、書類集めを一括でお引き受けいたします。また、事業年度終了届など、許可を取得した後に必要な定期的な提出書類に関するサポートも行います。
初回のご相談は無料ですので、電話やお問い合わせフォームから、ぜひお気軽にご相談ください。