FAXでの建設業 請負契約の締結は避けて

建設業において、FAXによる注文書や請書のやり取りを行ってはいけません。これは、建設業法19条に定められている、「建設工事の請負契約の当事者は、~契約の締結に際して次に掲げる事項を書面に記載詳しくはコチラ)し、署名又は記名押印をして相互に交付しなければならない。」に違反するからです。

建設業における請負契約では、契約の双方が原本を持っていなければいけません。FAXでのやりとりは、相手側にコピーが送られてしまうので、認められません。本記事では、電子契約ならば認められるケースや、印紙代を節約したいという目的で、FAXで契約してはいけないことなどもあわせて解説していきます。

目次

工事請負契約書の基本

工事請負契約書の基本は(こちらのブログ)で解説している通り、「16項目の記載事項を、書面に記載し、署名又は記名押印をして相互に交付」することで、双方が原本を持っていなければなりません。原本交付が義務付けられている理由は、原本でなければ簡単に契約書の改ざんができてしまい、トラブルに発展する可能性があるからです。

見積書はEメールでも可

建設業法第20条3項では、「建設業者は、前項の規定による見積書の交付に代えて、政令で定めるところにより、建設工事の注文者の承諾を得て、当該見積書に記載すべき事項を、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって国土交通省令で定めるものにより提供することができる。この場合において、当該建設業者は、当該見積書を交付したものとみなす。」とあります。

これは、Eメールなど、電磁的方法の種類および内容を示した上で、相手方から承諾を得ることができれば、Eメールなどで見積書を交付できるという意味です。

署名・押印がなくても、電子契約なら認められる

工事請負契約書は、原本での取り交わしが義務付けられていると前述しましたが、国土交通省で定められた一定の基準(見読性の確保原本性の確保ができ改変が行われていないか確認する措置を講じている、契約相手が本人であることを確認するための措置を講じている)を満たした電子契約なら、署名又は押印がなくても締結することができます。

印紙税節約における注意点

印紙税を節約するという目的のため、書面契約で次のような方法をとった場合、建設業法違反となります。

・記名押印した請負契約書を1通だけ作成し、下請負人にその写し(コピー)を交付

・元請負人から注文書のみ発行し、下請負人から注文請書を発行しない印紙税とは、契約書や領収書などの文書を作成する際に、その文書に対して課せられる税金のことです。建設工事に関する請負契約書や注文請書は、印紙税法により課税対象の文書とされています。課税対象となる文書には、収入印紙を貼り付け、消印を押すことで印紙税を納めたことが証明されます。

印紙税を節約したいのであれば、契約としての有効性が確保され、なおかつ印紙の購入や添付の手間が省ける電子契約が最適な方法です。

まとめ

行政書士 井戸 規光生 事務所では、建設業許可の申請だけでなく、毎年の事業年度終了届、変更届、更新手続きのサポートや、日々の業務に忙殺される事業者様への、各種手続きの期限管理も承っております。初回相談は無料ですので、是非お電話、お問い合わせフォームなどからお問い合わせください。お待ちしております。

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この記事を書いた人

2024年に「行政書士 井戸 規光生 事務所」を設立しました。
建設業、遺言・相続サポート業務に特化した名古屋市南部の地域密着型事務所です。
高校時代はラグビー部に所属。地元名古屋のスポーツチームを応援しています。

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