CCUSで受注チャンスを拡大!事業者必見のポイント

建設業界では、施工能力や技能者の評価が受注に大きな影響を与える時代が到来しています。その中で注目されているのが「建設キャリアアップシステム(CCUS)」です。CCUSは、技能者の経験や資格を見える化し、事業者の施工力を適正に評価するための画期的なシステムです。本ブログでは、CCUSを導入することで得られるメリットや、具体的な活用方法を解説します。公共工事や大規模プロジェクトでの競争力を高めたいとお考えの事業者様にとって必見の内容です。CCUSを活用して、受注のチャンスをさらに広げましょう!

目次

CCUSとは?その基本的な仕組みと目的

CCUSの略称と英訳

CCUSは、「Construction Career Up System」の略称で、日本語では「建設キャリアアップシステム」と訳されます。このシステムは、建設業界において技能者の資格や経験を可視化し、個々の能力を適正に評価するために設計された、業界横断的なプラットフォームです。

システムの背景と開始時期

CCUSは、建設業界が抱える課題を解決するために、2019年に運用が開始されました。その背景には、長らく続く人材不足や、若手技能者がキャリアパスを描きにくいという業界の特性がありました。また、公共工事や民間プロジェクトで施工品質の向上を求める声が高まる中、技能者の経験や能力を正当に評価し、適切な待遇を実現するための仕組みが必要とされていました。

CCUSの基本的な仕組み

CCUSの中心となる機能は、以下の通りです:

技能者情報の登録:技能者の氏名や保有資格、社会保険加入状況などをデータベースに登録します。

事業者情報の登録:事業者の基本情報や施工能力に関するデータを記録します。

就業履歴の蓄積:技能者が現場でどのような役割を果たし、どの職種で就業したかをICカード(建設キャリアアップカード)を通じて記録します。

施工能力の見える化:蓄積されたデータを基に、技能者や事業者の能力を数値化し、信頼性を向上させる仕組みです。

最新の加入状況と利用状況

CCUSの普及は順調に進んでおり、2024年時点で全国の技能者の登録数は100万人を超えています。また、レベル別に発行されるカード(白・青・銀・金)は、技能者の能力を示す指標として広く利用されています。最新データによれば、公共工事の分野では、元請企業のCCUS導入率が90%を超えるなど、高い導入率を記録しています。

目的:技能者と事業者双方のメリットを追求

CCUSの導入目的は大きく3つに分けられます:

・技能者の処遇改善:経験やスキルに応じた適切な評価を行い、賃金アップやキャリア形成を促進。

・事業者の施工能力向上:施工力をデータで示すことで、信頼性の向上と受注機会の拡大を目指す。

・現場管理の効率化:デジタル技術を活用した現場管理の効率化で、生産性を高める。

まとめ

CCUSは、建設業界のデジタル化を進め、技能者と事業者双方に大きなメリットをもたらす画期的なシステムです。建設業界が抱える課題解決に向けて、CCUSのさらなる普及と活用が期待されています。このシステムを導入することで、業界全体の競争力が強化され、持続可能な発展に貢献するでしょう。

なぜ今、CCUSが注目されているのか?

建設業界の人材不足と若手技能者確保の重要性

建設業界は少子高齢化の影響を強く受けています。技能者の平均年齢が高まり、引退者が増加する一方で、新たに建設業に参入する若手は限られています。この現状を打破するためには、若手が魅力を感じる業界づくりが重要です。CCUSは、技能者の経験や資格を見える化することで、キャリア形成の道筋を明確にし、若手の定着を促進します。また、適切な評価と処遇の改善が可能となり、人材不足の課題解決に貢献します。

公共工事におけるCCUS活用の必要性

国土交通省や自治体では、公共工事の適正な施工管理を強化するため、CCUSの活用を評価基準の一環として採用しています。例えば、工事成績評定でCCUS導入を加点要素にするなど、事業者にとってCCUSの登録や活用が受注競争を有利に進める鍵となっています。この背景には、透明性の高い施工体制の確立や、技能者の処遇改善を通じた業界全体の健全化を目指す意図があります。

DXの流れとCCUSの役割

建設業界では、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進が急務となっています。CCUSは、技能者や現場情報をデジタルデータとして一元管理する仕組みを提供し、業務の効率化や生産性向上に貢献します。ICカードによる就業履歴の蓄積や現場管理のデジタル化により、現場運営の負担軽減や情報共有がスムーズに行えるようになります。CCUSは、建設業界におけるDXの中心的な役割を果たす存在として注目されています。

まとめ

CCUSは、業界の課題に対応する重要なツールであり、時代のニーズに合った革新的なシステムです。建設業界の持続可能な発展を支える鍵として、その意義はますます高まっています。

CCUSを導入するメリット

建設キャリアアップシステム(CCUS)の導入は、事業者に多くのメリットをもたらします。以下、主な利点を詳しく解説します。

受注拡大の可能性

CCUSへの登録は、公共工事や大手ゼネコンからの受注機会を増やす重要な要素となっています。多くの自治体では、CCUSの活用を建設業者の評価基準に取り入れており、CCUS活用モデル工事を実施しています。(詳しくはコチラ

施工能力のアピール

CCUSは、技能者の資格や経験をデータベース化し、施工能力を「見える化」するシステムです。これにより、事業者は自社の技術力や施工実績を客観的に示すことが可能となり、発注者からの信頼性が向上します。特に、大手ゼネコン、準大手ゼネコン、中堅ゼネコン各社では、軒並み下請業者に対しCCUSへの登録を求めています。特にスーパーゼネコンの中には、下請業者や技能者のCCUS登録率100パーセントという方針を持っている会社もあります。

業務効率化

CCUSの導入により、現場管理のデジタル化が進み、事務作業の効率化が期待できます。技能者の就業履歴や資格情報が一元管理されるため、書類作成の手間が軽減され、情報の正確性も向上します。これにより、現場運営の効率化が図られ、全体的な生産性の向上につながります。

以上のように、CCUSの導入は受注機会の拡大、施工能力の効果的なアピール、業務効率化など、多方面で事業者にとって大きなメリットをもたらします。今後、建設業界での競争力を高めるためにも、CCUSの積極的な活用が求められます。

CCUS導入の具体的なステップ

CCUS導入の流れ(流れ図)

STEP
事業者登録

CCUSの公式サイトで事業者情報を登録します。必要な書類は法人登記簿謄本、印鑑証明書、会社概要などです。登録後、事業者IDが発行されます。

STEP
技能者登録

登録する技能者の情報(氏名、資格、就業履歴など)をデータベースに入力します。詳細型登録では、保有資格や健康診断履歴など、スキル評価に必要な情報を追加で登録します。

STEP
カードリーダー設置

現場にICカードリーダーを設置し、技能者が現場に入場する際の履歴をデジタル記録します。この設備は施工現場ごとに必要となる場合があります。

STEP
システム運用開始

登録が完了し、カードリーダーが設置された後は、技能者の就業履歴の蓄積が始まり、CCUSのデータを活用した運用が可能となります。

スムーズな登録方法

CCUSの登録は、インターネット申請と認定登録機関を利用した申請の2つの方法が用意されています。

・インターネット申請

  1. CCUS公式ウェブサイトで事業者IDを取得後、オンラインで必要情報を入力します。
  2. メリット: 手続きが比較的迅速で、コストも抑えられます。
  3. 注意点: 登録内容を間違えないよう、事前に必要書類を整理しておくことが重要です。

・認定登録機関での申請

  1. オンライン申請が難しい場合や、本人確認書類(顔写真付きID)がない場合は、認定登録機関で直接申請できます。
  2. 必要書類を提出し、担当者のサポートを受けながら登録を進めることができます。
  3. メリット: 対面でのサポートが受けられるため、初心者に安心です。

まとめ:CCUS登録行政書士に相談を!

CCUS導入のステップはシンプルですが、スムーズに進めるためには、事前に必要な書類や機器の準備を整えておくことが大切です。インターネット申請で手早く完了させるか、認定登録機関でのサポートを活用するか、事業者の状況に応じた方法を選択しましょう。これにより、CCUSの活用がより効率的に進められます。日本行政書士会連合会は、CCUS事業者及びCCUS技能者申請の代行申請を行うに際し、「CCUS実務講習」を受講した行政書士を、「CCUS登録行政書士」として認定し、連絡先を公表しています。

CCUSを活用した成功事例

CCUS導入による受注拡大の成功事例

ある建設企業では、CCUSを積極的に導入し、技能者の資格や就業履歴をデータベース化しました。これにより、公共工事の入札において高い評価を受け、受注件数が増加しました。CCUS活用推進モデル工事を実施しており、CCUSの活用が受注に有利に働く事例が報告されている県もあります。 また、多くの大手ゼネコンは、CCUSを導入した協力会社との連携を強化し、施工体制の透明性を高めています。これにより、元請企業としての信頼性が向上し、受注拡大につながっています。

CCUS活用がもたらす経営改善のポイント

・施工能力の「見える化」による信頼性向上

CCUSを活用することで、技能者の資格や経験がデータベース化され、施工能力が「見える化」されます。これにより、発注者からの信頼性が向上し、受注機会の増加につながります。

・業務効率化の推進

CCUSの導入により、現場管理や労務管理がデジタル化され、事務作業の効率化が図れます。これにより、業務負担が軽減され、生産性の向上が期待できます。

・技能者の処遇改善と定着率向上

技能者の就業履歴や資格情報が正当に評価されることで、適切な処遇が実現します。これにより、技能者のモチベーションが向上し、定着率の改善につながります。

経営事項審査(経審)での加点

CCUSを活用している事業者は、経営事項審査において加点評価を受けることができます。これにより、公共工事の入札で有利な立場を得ることが可能となります。

これらのポイントから、CCUSの導入は企業の競争力強化や経営改善に大きく寄与することがわかります。今後、建設業界でのさらなる普及と活用が期待されています。

導入時の注意点とポイント

初期費用や登録費用について

CCUS導入には初期費用が発生します。

・事業者登録費用

登録料は事業者の規模によって異なります。事業者登録の有効期限は5年間です。事業者登録料は資本金によって以下のとおりにわけられます。

資本金    登録料(税込)
一人親方              0円
500万円未満(個人事業主含む)   6,000円
500万円以上1,000万円未満          12,000円
1,000万円以上2,000万円未満       24,000円
2,000万円以上5,000万円未満満   48,000円
5,000万円以上1億円未満 60,000円
1億円以上3億円未満      120,000円
3億円以上10億円未満    240,000円
10億円以上50億円未満   480,000円
50億円以上100億円未満  600,000円
100億円以上500億円未満              1,200,000円
500億円以上       2,400,000円

・技能者登録費用

技能者1人あたりの登録料が必要で、簡略型登録で2500円(税込)詳細型登録で4900円(税込)です。

・管理ID利用料

CCUSに登録した後に、元請けと下請け両方に発生します。料金は1つのIDに対し、年11,400円(税込)です。

・現場利用料

CCUSは、キャリアアップカードを現場のカードリーダーにタッチすることでデータが蓄積されていきます。1人の技能者が1回タッチすると10円(税込)料金が発生します。

50人の技能者が5日間工事をおこなった場合は、50×10×5=2500円です。

・カードリーダー設置費用

カードリーダーが1台につき1〜3万円程度の料金が必要です。現場の数だけカードリーダーが必要となります。

導入に伴う費用は一時的な負担ですが、CCUSの活用による受注増加や業務効率化で十分に回収可能な投資です。

登録に必要な書類や準備すべき情報

CCUSの登録をスムーズに進めるためには、事前に必要な書類や情報を準備しておくことが重要です。

・事業者登録に必要なもの:

建設キャリアアップシステム(CCUS)の事業者登録には、いくつかの書類が必要です。建設業許可がある場合、建設業許可通知書または許可証明書の写しを提出します。一方で、建設業許可がない場合には、法人登記簿謄本履歴事項全部証明書、または確定申告書納税証明書が必要です。また、社会保険加入の証明書も求められます(健康保険の納付書や標準報酬月額決定通知書など)。さらに、労災保険や退職金共済(建退共、中退共)の加入状況も確認される場合があります。これらの書類は、有効期限内の最新のものを用意し、不備がないようにすることが重要です。

・技能者登録に必要なもの:

建設キャリアアップシステム(CCUS)の技能者登録には、以下の書類が必要です。まず、本人確認書類として運転免許証、マイナンバーカード、またはパスポート+住民票などが求められます。また、顔写真はキャリアアップカード発行に使用されるため、インターネット申請ではJPEG形式、窓口申請では指定サイズで準備します。さらに、社会保険の加入証明書(健康保険証、厚生年金加入証明書など)や、技能資格を証明する書類(技能士資格証、安全衛生教育修了証など)の提出も必要です。代行申請を行う場合には、個人情報取り扱い同意書や代行申請同意書も用意します。登録前にこれらの書類を事前に整えることで、手続きがスムーズに進みます。​

活用を最大化するための社内体制の整備

CCUSの導入を有効活用するためには、社内体制の整備が不可欠です。

  • 管理者の指名: 社内でCCUS運用を担当する管理者を指名し、全体の進捗を把握する役割を担わせる。
  • データの一元管理: 技能者の情報や就業履歴を正確に管理し、活用できる体制を整える。
  • 社内研修の実施: CCUSの目的や活用法について従業員全体に周知する研修を行うことで、理解を深める。

特に技能者への周知が重要です。登録の意義やメリットをしっかり伝えることで、CCUSの活用がスムーズに進みます。

まとめ

建設キャリアアップシステム(CCUS)は、技能者の資格や経験の「見える化」を通じて、建設業界全体の効率化と信頼性向上を図る画期的なシステムです。受注機会の拡大、業務効率化、技能者の処遇改善など、多くのメリットをもたらします。特に公共工事や大手ゼネコンとの取引を目指す事業者にとって、CCUSの導入は競争力を高める大きな一歩となります。導入の第一歩は「事業者登録」です。これにより、技能者登録や就業履歴の蓄積が可能となり、システムを効果的に活用できます。しかし、登録には多くの書類が必要で、手続きの正確性が求められます。そのため、経験豊富な行政書士に相談し、サポートを受けることで、登録手続きをスムーズに進めることができます。CCUSの導入を成功させ、事業の成長につなげるためにも、専門家の力を借りることを強くお勧めします。行政書士 井戸 規光生 事務所では、CCUS導入を希望する事業者さまのサポートを行っております。初回相談は無料ですので、是非お電話、お問い合わせフォームなどからお問い合わせください。お待ちしております。

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この記事を書いた人

2024年に「行政書士 井戸 規光生 事務所」を設立しました。
建設業、遺言・相続サポート業務に特化した名古屋市南部の地域密着型事務所です。
高校時代はラグビー部に所属。地元名古屋のスポーツチームを応援しています。

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